公開日 2019年05月27日(Mon)
5月25日(土),理数科サイエンス部1年生の有志9名が,霧島市が主催する生物多様性啓発活動に参加しました。カワゴケソウの観察や保全活動を通して地元の自然や生き物に対する興味・関心を高めてもらおうという取り組みです。活動には他に曽於高校と舞鶴中学校の生徒も参加しました。
まずは牧園横川し尿処理場の会議室をお借りして,カワゴケソウについて学習しました。講師は元県立博物館主任学芸主事で現在鹿児島大学非常勤講師の寺田仁志先生。植物がご専門で,鹿児島県で一番植物に詳しい先生です。カワゴケソウは清流の浅い部分(水中)に生育する植物で,ちゃんと花を咲かせる高等植物です。日本では鹿児島県と宮崎県南部に分布しています。
その後新川渓谷(天降川水系)に移動して,カワゴケソウの観察ポイントへ。途中の道でも様々な植物の説明をしていただきました。
川に下りて,カワゴケソウを探します。しかしなかなか見つかりません。
寺田先生に教えていただきましたが…,どれ?
だから,どれ?
水中ではこんな感じ。こりゃー見つけられないわけだ。
石の表面に薄く平べったい緑色の「根」が張り付いてます。葉は針のように退化しており,根で光合成をするそうです。
寺田先生が見やすい個体を撮影中。その後目の慣れた国分高校生たちも自分でどんどん見つけていました。
観察と昼食を終えて,国分高校生集合。
午後は「馬込の甌穴群」の近くに移動。ここは昨年の大雨で上流から砂が流れてきて,平らな「溶結凝灰岩」の上に生息していたカワゴケソウの上を覆ってしまった場所です。その影響でカワゴケソウは壊滅状態になりました。その砂を取り除き,カワゴケソウが生育できる状態に戻すことが今日のもう一つの目的です。寺田先生から説明を受け,さあ作業開始です。
作業は二手に分かれて行いました。こちらでは一面を覆った砂を全て取り除くことは困難と判断し,真ん中に水路を作ることで次の大雨で砂を流してもらう作戦です。
完全に肉体労働です。腰を痛めないようにしてください。
約1時間半の作業で,ごく一部ではありますが,溶結凝灰岩の河床が姿を現しました。カワゴケソウが戻ってきてくれるといいですね。
分かれて作業していた別の班も合流して,「貫」と呼ばれる半天然の水路に突入しました。左は深いので,右側を注意して進んでください。
火砕流堆積物に走った天然の亀裂の下部を人力で掘って広げたものだそうです。よく見ると,のみの跡がはっきりとわかります。USJのアトラクションよりも迫力があります。
反対側は別の班が作業した付近の滝の上です。ここは是非また来たいです。
全ての作業を終えて,全員で記念撮影。皆さん,お疲れ様でした。
貴重な機会を与えてくださった霧島市環境衛生課の皆様に感謝いたします。今後も機会があれば地元の貴重な植物カワゴケソウの保全作業に協力していければと思います。課題研究で取り組んでもいいかもしれませんね。理数科1年生の皆さん,いかがですか?