公開日 2019年12月17日(Tue)
12月16日(月),人権同和教育全校研修会が行われました。講師は伊集院で太鼓店を営む宮内礼二さん。演題は「誇りをもって生きる」。宮内さんは部落解放同盟鹿児島県連合会書記次長としても活動されています。
まずは自己紹介ですが,いつもの講演会と雰囲気が違います。宮内さんが生徒の列の中に入っているように見えるためです。
実はこのように生徒の列の真ん中が空けられていて,宮内さんの作業台が置かれていたためです。太鼓作りの実演をしながら,これまでの経歴や太鼓作りにかける思い,子どもたちからかけられた言葉等について話されました。
経験したことのない位置関係も新鮮で,生徒たちの顔も生き生きとしています。
手際のよい太鼓作りの技にも興味津々です。
全然違う方を見ている生徒もいるじゃないかと思うかもしれませんが,さにあらず。宮内さんの手元がビデオで撮影され,スクリーンに映し出されているのです。
途中で質問タイムもありました。
昔テレビで放映された太鼓作りの番組の一部も上映されました。出演したのは宮内さんのお父さんだそうです。
ペラペラでふにゃふにゃだった牛の皮が,ピンと張られ,さらに乾燥することでいい音が鳴るようになります。
講演終了後は宮内さんの周りに生徒たちが大挙して押しかけました。講演会の後に講師の先生がこんなに囲まれるのを初めてみました。
太鼓をたたいてみたり,においをかいだり,余った皮を触ってみたり…。君たちは終礼は大丈夫?
体育館後方には牛1頭分の皮が広げられていました。これが太鼓になっていくんですね。
牛の皮を使うことで,太鼓作りは残酷な仕事と誤解されることもあるそうです。実際は余った皮を無駄にしないよう,命を無駄にしないよう有効に使っているのに。
差別の根底にあるのは,無知や誤解なのかもしれません。「聞いたことやうわさなど表面的な知識で誤解してそれが差別につながる。いろいろなことを正しく知って自分の頭で考えることが大事です。」という宮内さんの言葉は重みがありました。
宮内さん,貴重なお話をありがとうございました。