公開日 2023年02月24日(Fri)
SSHでは女性科学技術者の育成も大きな柱の一つとなっています。本日はその一環として,本校と協定を結んでいるトヨタ車体から,鹿児島出身の小藤さんが来校して下さいました。
主にボディーを作っているということで,様々なパーツを持ち込んでいただきました。
設計だけではなく,どのような不具合が起きそうか,予想してその対応を行うという部署で働かれているそうです。樹脂を用いた車のパーツは,日本ではあまり気になりませんが,マイナス20度が長期間続くカナダや,気温40度を度々超える中東などでは劣化につながる現象が見られるそうです。
お客様のために,そのような状況をあらかじめシミュレーションして対策を講じることに取り組まれているとのことでした。
車を検査する仕事を続ける中で,車の匂いを嗅ぎ分けるトヨタ独自の資格にチャレンジされたそうです。生徒にも5種類の香料を嗅いでもらい,その印象を言葉にしてもらいました。「甘い匂い」「砂糖を焦がした匂い」など,生徒達独特の表現が出ましたが,お客様からいただくそういう表現をどのように分析するのか,自動車会社では取り組んでいるそうです。
最後に事前に寄せられた生徒からの質問に答えました。生徒達に小藤さんが伝えたかったことに,社会人になっても勉強が必要な事態は次々に来ること,学生と違い社会人になると責任の大きさが増してくることなどがありました。
進路希望を考えるときに「進学先で学んだことを将来に生かしたい」という視点がありますが,実際には社会に出てから不足している知識や技術を常に追加していかねば成功しません。そういう意味で「学び方を学んでいる」現在,そして上級学校での経験を,生かして欲しいと願っています。